CIOとして、赴任したときにやることは何か(その一)
CIOとして赴任し、まずやること
・システムの費用(取引先別、勘定科目別、システム別など)の理解
・システム一覧とその概要の理解
・ネットワーク概要
・セキュリティー概要
・デバイス(PC、サーバ)概要
・事業の主軸
・業務課題
・組織図とキーパーソン
どこから始めるか、何から手をつけるのか
・インフラからやる
・インフラを適当にして、業務アプリで効果があるところだけやっていく人がいる。短期的には、喜ばれる。が、それは、粉飾決算的な関心しないやり方だ。
インフラは、どうすればいいのか。
一言で言うと、
・インターネットテクノロジーのみ利用せよ
だ。
インターネット上で稼働するサービスは、今後も増え続けるだろう。企業向けも同様にだ。
今や、個人のスマホからでも銀行振り込みができる時代だ。そんな時代において、専用線やVPNじゃないと、稼働しないシステムにこだわる必要はあるのか?いやない。
インターネットテクノロジーに振り向けるのは、宗教変更と同じインパクトがあり、既存の情報システム部、SIerとも苦笑いをするだろう。
しかし、ユーザサイドやお客様は、なんとも思っていない。なんで、インターネット上でできることが、自社ではできないのだろう?と不満を持っているはずだ。
情報システム部は、足枷になってはいけない。ユーザ部門よりも、先んじてなくてはいけない。
今は技術情報などとっても、インターネット上にいっぱい勉強できる素材はあり、まずは、なんと言っても、「実際に体験できる」のだ。例えば、会計システムのことは、freeeやマネーフォワードを無料プランで使って勉強すればいい。既存の会社で、謎なエクセルフォーマットで、請求書を作り、メール送信や郵送をしていたのが、ばかばかしくなる。(やってみるとわかる)
そういう、freeeなどを使ったことがある人からすると、自社の請求書の出し方は、何これ美味しの?状態なのである
もう一度言う、情報システム部は、足枷になってはいけない。
情報システム部は、一歩先を勉強・体験(体験するのだぞ)し、ユーザ部門を遥かに凌ぐ生産性・かっこよさを持ってなくてはいけない。
ただ、現実もあるよ。コープさっぽろも、ホストコンピューターも、クラサバシステムもある。全部、httpsのシステムになったら、インターネットだけでできますよね?と言う人がいる。
全くの間違った見解だ。そういう順番で仕事をやるのではない。
コープさっぽろは、今も、ホストコンピューター、クラサバのシステムは稼働している。しかし、未来のことを考えて、専用線、ビジネスVPNは、撤廃し、フレッツとZscalerにする。
・自宅のwifiからもインターネットに接続すること
・それが、セキュアであること
・そして、クラサバなどのシステムのために、閉域網としてサーバに到達すること。これは、コロナ時代には当たり前と言って良い。
この要件を達成するには、ほとんどの企業は、会社のPCにVPNソフトを導入し、会社のセットワークに繋ぎ、会社のインターネットファイアウォールからインターネットに出る仕組みだ。これは、パフォーマンスが遅く、VPNのセッションも増やさなくてはいけなく、良いものではない。また、LTEを配布されて会社のネットワークに接続している企業もあるだろう、かなりの出費となっている。
これらを解決するのが、Zscalerだ。
また、アンチウイルスソフトもEDRに入れ替えよう。従来のソフトとの違いは、
・従来型アンチウイルス:パターンマッチなので、新型ウイルスに対応できなかった。
・EDR:振る舞い検知なので、新型ウイルスにも対応できる。
もちろん、万能薬はないのでEDRにしたから全て安心と言うわけではない。
そして、サーバ関連は、全てAWSに移行だ。
これについては、もう説明は不要であると思う。オンプレよりも優れいて、廉価であるからだ。
そして、ID管理・MDM は、Google社のCloud Identityを利用する。GoogleWorkspace(G-SUITE)にログインするとWindows10PCにもログインすると言う物だ。子これは、GoogleのBeyondCorpの考えに賛同し、GoogleをIDPにしていく考えだ。
さあ、ここまでやると、あとは、アプリケーションとなるのであるが、それは、違う。
実は、今までのシステム化のやり方では、DXはうまくいかないのだ。
そもそも企業向けコンピューターは、会計システムから始まっていると言われている。ソロバン、電卓でやっていることをコンピュータに任せようと言うことだ。
なので、「処理」や「手続き」をシステム化したのが現在のシステムなのであるが、実際の仕事は、どうだろう。
コミュニケーションを中心とし、営業、見積書提出、受注、納品、アフターメンテナンス、請求支払いなど、ほどんとの仕事が、コミュニケーションなしでは成り立たない。しかし、現在のシステムは、このコミュニケーションの部分はシステム化できておらず、処理・手続きのみをシステム化している。
なので、実は、インフラとアプリの間に「コミュニケーションインフラ」と言うレイヤーが存在するのだ。
当コラムでは、文字数の関係で、ここまでとするが、次回は、コミュニケーションインフラについて解説したい。
それは、「Slack デジタスシフト」とぐぐると出てくるかも。
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